問5 「あおによし」について調べなさい。

「あおによし=青丹吉」は、青丹を産出したことから奈良にかかる枕詞である。

青丹(あおに)よし 奈良の都は咲く花の薫(にお)うがごとく いま盛りなり

「あおに」は色。
「よ」は感嘆・感動を現す間投助詞。
「し」は強意を表す間投助詞。

【青丹】の色の解釈の仕方は2通りある。

  • 【青丹】は緑色の顔料の土。岩緑青(いわろくしょう)(マラカイトグリーン)のこと。瓦の色などを示している?
  • 「青(青色)」と「丹(朱色)」の色を分けて考え、美しい奈良の建物の情景を連想するものと言われている。奈良の都では多くの窓の格子が青(緑)に塗られていて、ほとんどの柱は朱色に塗られていた。



奈良時代に唐の国から、青緑と丹の組み合わせが入ってきた。唐では朱色は魔除けの色、福を招く色とされていた。そして、朱色を引き立たせるのが青緑。その組み合わせが輸入され奈良の町を代表する色になった。



「青(青色)」と「丹(朱色)」と考えればこれも又補色の関係で、『咲く花の薫(にお)うがごとく』とあるように、自然の風景に馴染んで、大変美しいコントラストだったのではないかと思う。